闇夜ヨルの恐怖記録2
「そんな、でも、犯人はまだ捕まってないんですよね? ここに暮らしていた人が犯人だってわかっているなら、捕まるはずなのに」


「そうなんだけどね、猫が見つかったのはその人が夜逃げ同然で出ていった後なの。それにアパートの契約書に書かれていた名前や住所は全部偽物だった。だから当時誰がここに暮らしていたのか、わからないままなのよ」


「それじゃ、俺が見た猫は……」


「たぶん、死んだ猫たちの亡霊じゃないかな? 猫が見つかった時にはもう、みんな死んじゃってたって聞いたから」


クニヒコは背筋がソクリと寒くなったのだった。
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