闇夜ヨルの恐怖記録2
☆☆☆

その日タカシがどれだけクラス内で幅をきかせてもクニヒコが嫌な顔をすることはなかった。


そんなクニヒコを見てタカシも拍子抜けしてしまったのか、午後からはクラスメートを集めての勉強会をすることもなく大人しく過ごしていた。


「クニヒコ」


終わりのホームルームが終わって教室から出ようとした時後からタカシが声をかけてきた。


「なに?」


「今日はどうしたんだよ。やけに静かだったじゃないか」


言いながらタカシはクニヒコと肩を並べて教室を出た。


誰かと一緒に帰るような気分じゃなかったクニヒコは廊下で立ち止まる。


「ちょっと体調が悪いんだ。帰りも、1人になりたい」


「確かに顔色が悪いよな。でもそれなら家まで送ってやるよ」


「いいよそんなことしなくても」


クニヒコはしかめっ面をして左右に首を振った。


できれば1人であのアパートでの出来事について考えたかった。
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