闇夜ヨルの恐怖記録2
「待ってなくていいよ。早く帰れってば」


「嫌だ」


頑なにその場から離れようとしないタカシにクニヒコは呆れたため息を吐き出した。


タカシは1度こうと決めたら曲げない性格みたいだ。


だからこそ、スポーツなどで粘り抜いて結果を出してきたのだろう。


「わかったよ。俺の負けだ」


クニヒコはそう言うと下駄箱の靴に手をのばす。


忘れ物なんて、本当は嘘だったのだ。
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