闇夜ヨルの恐怖記録2
「ハルカちゃんと一緒に帰ったことだってあるだろ?」


「途中までだよ。家の方向が同じだったからだ」


「家の方向が同じなら、好きでもないヤツと一緒に帰るのか?」


その質問にクニヒコは答えられなかった。


今までハルカの行動に深い意味があるなんて考えたこともなかった。


でも、こうして色々言われてみるとクニヒコの心臓はドキドキしてくる。


「でも、俺とハルカちゃんが釣り合うわけがない。タカシとなら、きっと釣り合うけど」


想像してみると美男美女のカップルが出来上がって、ただの想像なのに嫉妬してしまいそうになった。


「とにかく、クニヒコに元気がないとハルカちゃんにも元気がないんだ。だからなにかあったなら言ってほしい」


「本気で言ってるのかよ」


タカシはまっすぐにクニヒコを見て頷いた。


ライバルの元気がない内にハルカを横取りしてしまえばいいのに、タカシにはそんな考え毛頭ないみたいだ。


呆れ返ったクニヒコはタカシのことを試してみようと考えた。


今自分の身に起きていることは到底信じられないことばかりだ。


それをすべて話して信じるかどうか確認するのだ。


もし信用してくれないようなら、タカシも所詮その程度だったということだ。


「わかった。少し時間がかかるけど、話を聞いてくれるか」


クニヒコはそう言い、タカシを近くの公園に誘ったのだった。
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