闇夜ヨルの恐怖記録2
そうとわかるとすぐに調べ物に取り掛かった。


そこでクニヒコはすぐに異常な様子に気がついた。


食器棚や本棚など、生活をするためには様々な家具が必要になる。


それなのにこの部屋の家具は異様に少ないのだ。


簡易的な棚が2つ置かれていて、そこに紙皿やちょっとした本が置かれているだけなので、すぐに調べ終えてしまった。


キッチンの下などを確認してみても、フライパンや鍋といった料理道具がひとつもない。


「嘘だろ。冷蔵庫もないのかよ」


部屋の中を見回して呟く。


「どうした? なにか見つけたのか?」


タカシの質問にクニヒコは左右に首を振った。


その場逆だ。


この部屋からはなにもヒントが出てこない。


まるで生活なんてしていないかのような様子だ。


「そうかわかったぞ。あの男、ここでは暮らしてないんだ」


「どういうことだよ?」


「この部屋は異様に生活感がないんだ。男の個人情報につながるものも何も見つからない。男は別に家を持っているんだ」


「でも、なんのために?」


家があるならアパートを借りる必要はない。


でも男は借りていた。


その理由は……猫を誘拐してくるため。
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