闇夜ヨルの恐怖記録2
☆☆☆
家に戻ってきたクニヒコはリビングにいる母親への挨拶もそこそこに自室へと向かった。
カバンをベッドに投げ出して机に座り、本棚に沢山並んでいる歴史書の一冊を取り出した。
それは大人が読むような分厚い本で、開いてみるとほとんど文字で埋め尽くされていた。
クニヒコは背筋を伸ばしてその本を読み始める。
大好きなハルカにもっともっと近づきたくて。
クラスのみんなから、もっともっと尊敬されたくて。
「クニヒコ帰ってるんでしょう?」
しばらく本を読みふけっていたら部屋の外から母親の声が聞こえてきてクニヒコは本から視線をあげた。
窓の外はすでに暗くなり始めていてギョッと目を見開く。
歴史の勉強をしているとつい時間を忘れてしまうのだ。
「帰ってるよ」
返事をして立ち上がると、同じ体勢のままでいたので体のあちこちが痛くなった。
「また歴史の勉強? 他の科目はちゃんと勉強しているの?」
母親は机の上に広げられている本を見て呆れたため息を吐き出す。
クニヒコが歴史以外の勉強をしているところなんて、ほとんど見たことがないのだ。
「いいだろ別に」
クニヒコは仏頂面になって言い返す。
世の中には全く勉強をしないヤツだっているんだ。
そんな連中に比べれば自分はよくがんばっているほうだと思う。
家に戻ってきたクニヒコはリビングにいる母親への挨拶もそこそこに自室へと向かった。
カバンをベッドに投げ出して机に座り、本棚に沢山並んでいる歴史書の一冊を取り出した。
それは大人が読むような分厚い本で、開いてみるとほとんど文字で埋め尽くされていた。
クニヒコは背筋を伸ばしてその本を読み始める。
大好きなハルカにもっともっと近づきたくて。
クラスのみんなから、もっともっと尊敬されたくて。
「クニヒコ帰ってるんでしょう?」
しばらく本を読みふけっていたら部屋の外から母親の声が聞こえてきてクニヒコは本から視線をあげた。
窓の外はすでに暗くなり始めていてギョッと目を見開く。
歴史の勉強をしているとつい時間を忘れてしまうのだ。
「帰ってるよ」
返事をして立ち上がると、同じ体勢のままでいたので体のあちこちが痛くなった。
「また歴史の勉強? 他の科目はちゃんと勉強しているの?」
母親は机の上に広げられている本を見て呆れたため息を吐き出す。
クニヒコが歴史以外の勉強をしているところなんて、ほとんど見たことがないのだ。
「いいだろ別に」
クニヒコは仏頂面になって言い返す。
世の中には全く勉強をしないヤツだっているんだ。
そんな連中に比べれば自分はよくがんばっているほうだと思う。