闇夜ヨルの恐怖記録2
「全くもう。それなら引っ越しの準備を進めなさい」


「はいはい」


クニヒコは適当に頷いてドアをしめる。


部屋の中の物はすでに半分ほどダンボールに詰め終わっている。


ただ、本棚の歴史書だけは最後まで出していたかった。


いつでも好きな時に読めるようにしておきたかった。


クニヒコは真新しいダンボールをクローゼットの中から取り出すとCDの棚へと近づいた。


音楽も好きだけれど、今はスマホで聴くことができるから先に片付けてしまおう。


「受験生なのに引っ越しなんて、ついてないよなぁ」


クニヒコはため息交じりに呟いたのだった。
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