闇夜ヨルの恐怖記録2
☆☆☆

「今日も全然おもしろくなかった」


1人の帰り道、マサシはブツブツと文句を言って小石を蹴飛ばす。


小石はそのまま溝にはまって落ちてしまった。


A組のクラスではマサシは全く重要な人間ではなかった。


誰にも注目されない、誰にも期待されない。


それどころか、下手をしたら1日誰とも会話することなく終わってしまう日だってあった。


それがマサシには気に入らない。


かと言って自分からクラスメートに声をかけることはできなかった。


勉強もスポーツも苦手で、顔も人並みでリーダシップもない。


おまけに根暗呼ばわりされている自分が誰かに声をかけたって、きっと相手にされない。


無視されることを想像すると、ずっと1人で机に座っている方がいいと思ってしまうのだ。


イライラを抱えて帰宅したマサシはリビングにいる母親に声をかけることもなく、2階の自室へと向かった。


自分で取り付けた簡易的な鍵をかけて閉じこもる。


マサシの唯一の楽しみにはテレビゲームだ。


中学に入学したときに無理を言って買ってもらった13インチのテレビを付けて、
テレビ台の中に入れてあるゲーム機の電源も入れる。


今ハマっているゲームは格闘系のゲームだ。


オンラインでランダムにつながった相手と対戦して、自分のレベルを高めていく。
< 77 / 150 >

この作品をシェア

pagetop