闇夜ヨルの恐怖記録2
普段ならこんな気持の悪い建物には決して近づかないマサシだが、この時はなにかに導かれるようにして中古ショップへ足を進めていた。


冷気は店内から流れ出てきているようで、近づくに連れて寒気が全身を包み込んだ。


途中で入らないほうがいいと頭の中で警笛が鳴る。


しかし、マサシの足は何者かに操られるようにして店内へと入ってしまっていたのだ。


両手で重たいドアを押して中に入ると、途端に冷気は消えていった。


店内は照明で明るく照らされていて流行りの曲が流れている。


外から見た時と雰囲気が違い、マサシは少しだけ安堵した。


入って右手にある買取カウンターにも、その奥に見えているレジにも店員の姿は見えない。


けれど棚に並んでいるのはすべてゲーム機やゲームソフトなどで、マサシはすぐに飛びついた。


「すっげぇ! 年代物のゲームから最新のゲームまである!」


マサシがずっと欲しかったゲーム機もあったが、人気商品だけあってさすがに千円で買える値段ではなかった。


それでも棚を見ているだけで楽しくて、店の奥へ奥へと進んでいく。


気がつくと店の一番奥まで来ていて、そこの棚にはボードゲームやトランプゲームなどのコーナーになっていた。


「へぇ、この辺は安いんだな」


ただのトランプなどは50円から売られている。


これなら買うことができる。
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