闇夜ヨルの恐怖記録2
☆☆☆

『チナから頭脳を奪う』


そう言った時、たしかに体に電気が走ったような衝撃を受けた。


だから呆然と自分の両手を見つめてしまったのだけれど、その衝撃波すぐに消えていつもどおりの自分に戻っていた。


あれは一体何だったんだ?


首をかしげながら英語の教科書を取り出す。


休憩時間にゲームをしていたから、今日当てられる問題を確認していない。


まぁ確認したってどうせ答えはわからないけど。


後ろ向きな気分で教科書を開き、長い英文を見つめる。


そのときだった。


マサシの目には英文が日本語のように見えてきたのだ。


「なんだこれ」


目をこすってみるけれど、変わらない。


よくよく教科書を見てみると、日本語で書かれているわけではなく、ちゃんと英語で書かれているとわかった。


だけどそれがスラスラと読めてしまうし、意味もちゃんと理解できるのだ。
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