闇夜ヨルの恐怖記録2
マサシは出た目を確認してホッと胸をなでおろした。


タカヒロにヒデアキの外見を奪われたら、自分はヒデアキからその外見を奪わないといけないことになる。


才能があちこちに行ったりきたりして、非常に面倒くさいことになりそうだ。


「次は俺の番だな」


マサシはサイコロを持った。


あたりの目まであと10マスはある。


ここでネリケシを使っても意味はなかった。


今回は普通にサイコロを振って4を出した。


徐々にあたりに近づいてきて、ゴクリと唾を飲み込む。


次はノリコの番だったけれど、やっぱりあたりには止まらなかった。


「なかなかあたりに止まらないね」


残念そうな顔をチナへ向けて言う。


チナの頭脳をマサシから取り返すつもりなのかもしれない。


そうはさせない。


このメンバーを選んだのは、みんなの才能をすべて自分1人のものにするためなんだから。
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