闇夜ヨルの恐怖記録2
続くチナもあたりに止まることなく、終わりあっという間に一周してきた。


よし、次だ!


マサシはサイコロを握りしめてそっとネリケシをひっつけた。


出したい目は6。


だから裏側の2にくっつけるのだ。


昔マジックをやっていたマサシの手際はよく、誰にも怪しまれることもなかった。


少し強めにサイコロを振ってわざと自分の足元に転がした。


みんなが床に転がるサイコロを見つめる。


「よし、6だ!」


6で止まったのを確認してもらってから手早く回収し、ネリケシを外した。


サイコロの2の面が少し粘つくけれど、このくらいなら気が付かれないはずだ。


「嘘でしょ。またあたりに止まるの!?」


ノリコが驚愕の声を上げる。


マサシはその声を歓声のように聞きながら、コマを動かした。


「仕方ないよ。運は俺に味方をしたんだ」


マサシはあたりの上でコマを止めた。


みんなの視線がマサシに集まる。


まだ才能を奪われていない3人はひどく怯えた表情を浮かべた。
< 99 / 150 >

この作品をシェア

pagetop