きみは溶けて、ここにいて【完】
四人で木製のテーブルを囲んで、カレーライスを食べた。
少ししゃばしゃばしていたけれど、美味しくて、歩き疲れた身体にじんわりと沁みていった。
オリエンテーリングのときも、カレーを作っているときも、四人ではまともな会話という会話をしなかったけれど、食べている最中に、浜本さんが、そういえばという風に話し出す。
「昼のオリエンテーリングのとき、後ろで二人、めちゃくちゃ写真撮ってなかった?」
「それ、私も思った。カシャカシャ、しすぎって」
そうだよね、と浜本さんと吉岡さんが顔を見合わせて、笑う。
鮫島君は、ほんの少し嫌そうな顔をしていた。私はどうすればいいか分からずに、「うるさかったなら、ごめん」とへらへら笑う。
「いや、別に、謝ってほしいとかじゃないけど、なんで? と思って。鮫島とかキャラじゃないじゃん」
「うるせ。彼女にだわ」
「あー、そういうこと? てかやっぱり、彼女いたんだ。いきなり、惚気じゃん」
「保志さんは、なんで?」
鮫島君に恋人がいることはやっぱりあまり知られてないんだと思っていたら、突然、自分に質問が飛んできて驚いてしまう。
三人の視線が私に向いて、とりあえず、口の中にはいっているものを咀嚼してのみこんだ。