きみは溶けて、ここにいて【完】
6. 暗がりな光の中
カレーを食べ終えた後、調理器具やお皿も、班のみんなで協力して洗った。
そこで班活動は終わりとなる。
広場に移動すると、すでに、その真ん中で、焚火の炎が燃えていた。
久美ちゃんと一度合流するべきかどうか。
迷ったけれど、そうなると抜け出すのは難しくなってしまうのではないかと思ったから、久美ちゃんを探すことはせずに、しばらく広場の隅でじっとしていた。
私にはクラスで親しくしてくれる友達が久美ちゃんしかいないけれど、久美ちゃんは、誰とでも仲良くなれる社交的な性格だ。私がいなくても、誰かと過ごすことができると思う。
そう思うことで、曖昧な罪悪感をそっと逃がす。
私は、どのタイミングで抜け出せばいいのだろうか。森田君と影君はすでに入れ替わっているのだろうか。
燃える炎の周りにたくさんの人が集まっている。
それを眺めながら、どうしよう、とばかり思っている。