きみは溶けて、ここにいて【完】
夜に会うことなんて、できるのかどうか分からない。誰かに見つかってしまったら、とか、そもそもどこで会うつもりなのか、とか、不安なことが考えれば考えるだけでてきてしまう。
だけど、私も、会えるのなら、会いたいと思ってしまって、手紙をもらった次の日の放課後、森田君の下駄箱に、影君の提案を了承する内容の手紙を入れた。
まだ、互いを知ってからあまり時間も経っていないのに、影君は森田君と身体を共有する不思議な人なのに、どうして手紙が来ると嬉しくなって、無数の不安要素を抱えながらも会いたいと思ってしまうのか。
似ている、の四文字をいつの間にか飛び越えてしまっている。
だけど、なぜなのか。
正しく説明できる言語が、
自分のなかにはなかった。