イケメン総長様から独占されてます ~独占欲強めな総長様の一途な想い~
でも、ここにいるってことはきっと不良だ。
あまりそうは見えないけど……
その子はとても驚いたような顔で私を見つめていた。
「べ、別に何もしてないですよ。この辺をさまよってただけ、です」
無視することもできるけど、無視は絶対にしない。
それが礼儀だし、そう教わったから。
でも、やっぱり喧嘩してない時だからビクビクしてしまうけど……
「ここは危ないんだよ!君みたいな綺麗な子がいるところじゃない!早く自分の家に帰って!」
綺麗な子……?
この子は目が悪いんだろうかと思いながら、口を開く。
「……わっ、私、自分の家がないんです」
行くあてがない。
もう、どうすればいいのか分からないんだ……
「うーん、そうなのか~……うちの総長、あんまり女の子連れてこられるの好きじゃないんだけど、これはしょうがないよね。ちょっとついてきて」
「えっ、あっ……」
ど、どこに行こうとしてるの……?
それより、総長って……
どこの総長……?
この子はどこに所属してるの……?
訳が分からないことだらけだったけど、特に抵抗はせずに大人しくついていく。
着いた場所は、綺麗な建物。
治安の悪い街にこんなところがあったんだと思うほど……