相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「まさか・・・槇村先生のご子息が妻の担当医師とは驚きました…」


「父をご存知なんですね…」

「実はウチの長男の担当医でした…」
「そうですか…」
そう言えば、遊佐選手の一人娘は確か…
遊佐選手夫妻は亡くなったが、奇跡的に娘さんだけが生き残り、当時のニュースでは彼女のコトが話題になった。
「・・・俺…昔…サッカーしてたんです…遊佐選手の大ファンで…サッカーボールにサインして貰ったコトもあります…」

「へぇー…友希の…」

「遊佐選手の娘さんはお元気ですか?」

「あ…梓ですか…梓は老舗百貨店『高屋』の副社長と結婚して、ついこの間、家を出たとこですよ」

「えっ?あ・・・」

じゃこの間、分室の廊下ですれ違った高屋夫人が遊佐選手の・・・

「そうですか…へぇー・・・」

色白でなかなかの美人だった。

「俺の説明は以上なので…後は麻酔科に案内します」

互いに椅子を立ち上がり、遊佐夫妻を麻酔科まで案内した。
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