相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
新生児科の患者からセクハラを受けるコトはまずない。
救命には色んなタイプの患者さんが搬送されて来るけど、あの手の患者さんは初めてだった。

「大丈夫?遥先生」

「あ、はい…大丈夫です…」

私にちょっかいを出したばかりに奏弥さんの逆鱗に触れ、彼は雑な扱いを受けていた。

「まぁ、明日の朝になれば…キレイにさっぱりと彼は君の腰を抱いたコト憶えてないぞ…」

「すいません…アイツ…俺の連れなんです…」

処置台に寝かされ、高木先生に手当てして貰っていた男性が謝って来た。

「いえ・・・大丈夫ですよ…気にしないで下さい」

高木先生から訊いた話では、二人は酔っぱらって、道路に出てしまい、走っていた車に接触して転倒して怪我を負ったらしい。

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