相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
俺がカルテを書き込んでいる間に、井口さんの介添えで、車椅子に乗った。

「俺が待合まで押しますよ」

「ありがとう御座います」

「井口さん、ドア開けて」
「分かりました」

井口さんに診察室のドアを開けて貰った。

「夫人と一緒に居た人、何処かで見たことあるんだけど…名前…思い出せないんだ」

「あ…彼は『帝商フーズ』の高崎社長の秘書の神戸さん」

「あ…高崎社長の…分かった…見舞いで会った会った…神戸さんね…」

俺は神戸さんの元まで、彼女を送り届けた。

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