相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
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二週間後。

『東亜医科大付属病院分室』

俺を見つめる高屋副社長の目が怖かった。
お前みたいな茶髪で若い男が何で産科医やってんだ!?
と言った偏見のある目つきだった。

俺だって出来るなら、産科医じゃなくて救命医になりたかった…

「貴方があの老舗百貨店『高屋』の高屋副社長なんですね…」
「そうだけど…」
何だか声も冷たく、威圧的だ。

「『高屋』には買い物行きますよ…」

「そうなのか…」

こちらとしては梓さんが出産するまでは仲良くしたいんだけど。

「雅樹さん、そうけん制しないで…槇村先生、困っていますよ」

「俺は別にけん制なんて…」

梓さんは俺と副社長の間に入り、取り持ってくれた。
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