相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「いただきます…」

奏弥さんと私は合掌して、久しぶりに夕食を食した。

「…高屋さんって…本当の真面目だね…このアンケート用紙凄いよ…」

私に高屋副社長が書いたと思われるアンケート用紙を見せてくれた。

「本当だ…感想がぎっしりね…」

「…奥さんの妊娠が余程、嬉しいんだね…」

「・・・あの話受けるの?」

「ん、あ・・・日程決められても…その時に何か突発なお産が入って来る可能性もあるし…断る…」

「断るの??」

「・・・仕方がないだろ?俺の本業はお産だし…」

「・・・まぁ、奏弥さんがそう言うんなら、私は何も言わないけど…」

「…そうだ・・・今度、もし…勉強会で俺が抜けるコトになったら、杉村先生に頼むよ…遥にはもう頼まない」

「・・・やっぱり…私の講師役は不評だった?」

「いや、違う…」

彼は言葉を濁し、カレーライスをスプーンで口に運んだ。

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