相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「・・・ゴメン…」

「・・・分かればいい…この話はもうやめよう…折角の遥のカレーがマズくなる」

「ゴメン…」

「…もう謝らないで…遥」

「奏弥さん・・・」

********

二人で過ごす夜は必ず夫婦としての営みを交わした。

幾度抱かれても、妊娠しないカラダ。
私は命と引きかえに女を捨ててしまったんだと思うとやりきれない。
白血病で骨髄移植をすれば、八割の確率の早期閉経してしまう。
私はその八割に入ってしまった。

「やっぱり、乗る気じゃなかった?」

彼は私の奥を突き上げながら問いかけた。

その瞳はとても罪悪感で満ちていた。

「ううん」

私は首を振った。

生理が来る度に煩わしいと思っていたのに

今はもう一度生理が来ればと願ってしまう。

< 150 / 230 >

この作品をシェア

pagetop