相思相愛マリアージュ（前）～君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です～

変えてしまった遥の人生。

俺はどうすれば遥を幸せに出来るのかずっと模索していた。

二人で居れば、それでいいと思いながらも周りは子無しの夫婦には冷たい。

そもそも妊娠は奇跡の連続。
健康体の男女が一回の行為で妊娠に至る可能性は二十パーセントから三十パーセントの確率。
決して高くない。

　
俺はベットから出て下着とパジャマを着て、ソファでスマートフォンでゲームをしながら寝落ちしてしまった。

妊娠こそが奇跡。妊娠は当たり前じゃない。何で、周りの人達はそれが分からない。
結婚すれば、当たり前のように子供ができると思い込んでいる。現実はそうじゃない。

遥だって分かっていると思っていた。


目が覚めれば、午前五時。

こんなにもグッスリと眠れたのはいつ振りだろう…


俺が遥の人生を変えてしまった以上、いつかは彼女の思いに応えないといけない。
でも・・・今はまだ・・・その思いに応えられなかった。

妊娠を機に白血病が再発する恐れもあるから。

俺は母のように遥を失うんじゃないかと不安だった。