相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
転機
四月・・・
多摩ニュータウン沿いを流れる乞田川の周辺の桜は満開だった。

病院の中庭の桜並木も見ごろを迎えていた。

「遥先生」

「!?」

医大の学生も利用できる食堂。

東亜医科大看護学部に無事に合格した純亜ちゃんが私を姿を見つけ、話し掛けて来た。

「この子は誰?」
私と一緒に居た上村さんが問いかける。

「あ…私と同じ白血病を患って寛解して、この四月から看護学部に入った純亜ちゃん」

「・・・初めまして…紅林純亜です」

「へぇー…じゃ私の後輩か…」



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