相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「本当は恥ずかしくて…こんなコト言いたくなかったんですよ…」

「俺としては言って欲しいよ…遥ってクールだからさ…時々、俺のコト本当にスキかどうか…わかんなくなるもん」

「貴方がスキだから…子供だって欲しいんだと思うの…奏弥さん以外の男性の子を欲しいとは思ってません」

「…遥…手握ってて」

「え、あ…」

彼に促され、私は彼の手をそっと握った。

過労と軽い熱中症と診断された彼の手は熱かった。

「ありがとう…遥だって忙しいのに…ゴメン」

「いえ…」

奏弥さんはまた目を閉じた。

彼の寝息を訊くまで、この手は離せなかった。

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