相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
ICUの中でも許された者しか入るコトの許されない特別室があった。
高屋副社長はその特別室に入院していた。

私と奏弥さんは入室許可されておらず、高屋副社長の容体は全く分からなかった。
私達は彼女の問いかけに黙っていると高木先生が来た。

「高屋副社長の容体は俺が話す。二人は帰っていいぞ」

「分かりました…」

奏弥さんは高木先生に高屋夫人を任せ、私を連れ、ICUを出た。

「…まぁ、高木先生なら、上手く言ってくれるよな…」

「奏弥さんは高屋副社長の容体、知っているんですか?」

「まぁな…」
奏弥さんは語尾を濁す。

その雰囲気で術後の容体は芳しくないんだと悟った。

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