相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
食後、カズと別れ、産婦人科医局に向かっていると高坂院長と会った。

「久しぶりだな…槇村先生」
「お久しぶりです…高坂院長」


『東亜医科大付属病院・分室』も開院して一年半。
汐留周辺に住む人達の生活に欠かせない病院として必要とされていた。

「・・・この間…高屋夫人が来院したよ…」

「そうですか…」

「…ご子息の雅君には今の所、障害は見られない…成長曲線もやや下だけど…未熟児だったことを考慮しても…心配のない範囲だ」

「あ…それを訊いて安心しました…」

「…高木先生から訊いたよ…無茶したって」

「・・・はい」

「・・・おーっ…居たか・・・奏弥」

俺が高坂院長を話を弾ませているとスーツ姿の兄貴が近寄って来た。

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