相思相愛マリアージュ（前）～君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です～

略奪愛の行方

「遥ちゃん、急に押しかけてすまないな…」
「いえ…」

話を訊くと、後輩の高木先生を飲みに誘ったんだけど、当直で無理だ言われ、奏弥さんも急なお産とオペが入り、今夜は病院に缶詰め。

日勤の私を頼りに京弥さんは新生児科にやって来た。
そして、一緒に帰宅した。

「散らかってますけど…どうぞ」

「お邪魔します…」

京弥さんが来ると分かっていたら、キレイに掃除していたのに。
まぁ、仕方がない。とりあえず、リビングに案内した。
「座ってて下さい…」

「…じゃ遠慮なく座るよ…」


京弥さんはソファに腰を下ろして、ネクタイのノットを緩めた。

私は部屋着に着替えようと奥の寝室に引っ込んだ。