相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「遥ちゃんって・・・初心だな…」

「京弥さん、からかわないで下さい…」

「悪い…つい可愛いから…」

私の目の前に座るのは奏弥さんだけど、今は京弥さん。

「遥ちゃんが赤ちゃん欲しいと思うなら…俺が奏弥を説得してやるぞ…」

京弥さんは横浜の病院に戻ってから・・・お義父さんの勧めで、不妊治療の分野の研究に目を向けていた。

京弥さんも辻教授と同じで、私のような白血病を患い、生殖機能を失った女性の妊娠出産の実績が欲しいんだろう。

「京弥さんはどうして結香さんと結婚したんですか?」

「いきなりなんだ?」

「和香ちゃんを授かったからですか?」

「・・・そうだよ…それ以外に何がある?」

やはり、昨日の言葉は酔って勢いで出た言葉か…


「俺、もしかして酔って何か言った?」

「いえ…別に・・・」


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