相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
二人で婚姻届を区役所に提出したものの、結婚した実感がまだ湧いて来なかった。

「此処に居たのか…遥」

スクラブ姿の奏弥さんが私の元に来た。

「槇村先生…ご結婚おめでとう御座います…」

「東さん…それは言わないで…テレるだろ!?なぁー…遥」

「あ、はい…で、奏弥さんは何にしに来たんですか?」

「あ…これ…事務局から預かって来た…君の新しいネームホルダー」
「えっ?」

彼は旧姓のネームホルダーを首から抜き取り、新しい槇村遥のネームホルダーを首に掛けて来た。

「俺はこの時を何年待っていたコトか…これで遥は俺の奥さんだ…」

「ち、ちょっと!?」

奏弥さんは嬉しさの余り、私を抱き締めて来た。

「さすがは新婚さん」

皆は見てない振りをして、見逃してくれた。
テレ屋の私は彼のスキンシップが苦手だった。
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