相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
彼が上体を起こして、私の後ろ髪を優しく撫で、優しい笑みを湛える。
ずっと昔から変わらない彼の笑顔。

心の奥から罪の意識が溢れ、瞳が涙で濡れた。

「どうしたんだ?遥」

「ゴメンなさい…」

「遥?何で謝るんだ?」

「・・・だって…」

私は貴方に隠れて・・・

「だって・・・何?」

私を抱き締めながら、優しい声音で問いかける。

「何もない…」

私は涙を堪え、ギュッと抱きついた。

私の柔らかな胸が彼の胸板に押しつ潰される。

私の中で奏弥さんの存在が増した。

「寂しいのか…今の遥…サイコーに可愛いよ…愛してる…遥」

「私も愛してる…」

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