相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
横浜の実家
私達を京弥さんと和香ちゃんが出迎えてくれた。
この人達は誰だろうとそんな目で和香ちゃんは私達を見ていた。
「パパ・・・」と言って京弥さんの服の袖を引っ張る。
「あ・・・おぼえてないか?和香のコトお世話してくれた遥さんだ」
「兄貴、俺のコトも説明しろよ」
「お前はいいだろ・・・」
「相変わらずだな…俺に対しての態度は・・・」
奏弥さんと京弥さんの小競り合いが始まった。
「和香ちゃん…久しぶり…」と私は二人を他所に和香ちゃんに話し掛けた。
半年振りに見る和香ちゃんは一歳七ヵ月を迎え、しっかりと歩き、片言だけど言葉を話していた。
可愛いフリフリの花柄のワンピース姿が可愛い。
でも、私を見てもジッとパパの京弥さんの背中に隠れて近づいて来なかった。

「あんなにお世話したのに…私のコト忘れたみたい」

「遥、そう落ち込むな…」

「だって・・・」
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