相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
俺は川村さんの分娩を終え、休息を取る為、医局に戻った。

「!?」

遥が丁度杉村先生との話を終え、踵を返して出て来た。

「赤ちゃん産まれたんですね…」

「まぁね。元気な男の子だ」

「へぇー…」

「じゃ私はこれで…」

「遥…ちょっと…」

「何ですか?」

「いや、ちょっと…いいかな?」

俺をキョトンした目で見る遥を廊下に連れ出す。

「何?奏弥さん」

「あ…高坂院長とはどう言う関係?」

もう少し遠回しに質問すれば良かったかな?


「…高坂院長は私が白血病を患った時、治療してくれた担当医師です…まさか…高坂先生が分室の院長に就くなんて…驚きました」

「あ・・・遥の命の恩人か・・・あ・・・そうか・・・」

「高坂院長が何か?」

「いや…別に…そっか…」

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