相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
でも、結婚してからは忙しく、思うように勉強が進まなかった。
合間を見つけてはこうして勉強に励む。
資格取得はまだまだ先の話。

「…遥先生」
「!?」

高坂院長が分厚い医学の専門書を何冊も抱え、私の隣のデスクにドンと専門書を置き、椅子に腰を下ろした。

「今日は分室勤務ではないんですか?」

「…今日はこっちで論文に必要な文献を漁りに来たんだ」

「論文ですか…」

「遥先生は?」

「私は臨床心理士の勉強を…」

「臨床心理士か…君は頑張るね…まぁ~あの時も頑張って、医大に入ろうと勉強していたね…」

「・・・はい…」

こうして、普通に高坂院長と話をしながらも、高木先生の言葉が胸の奥に引っかかっていた。
< 95 / 230 >

この作品をシェア

pagetop