敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい

「すみません、お待たせしました」

「いえ、私も今来たところです。なににしますか？」

彼女の正面に座ると、メニュー表を向けてくれた。店員さんにホットティーを注文する。

「メッセージで仁さんと離れるとおっしゃっていましたが、その後どうなったのでしょうか？」

早速尋ねられた。

「実は昨夜、戻ってきました」

「え？　どういうことですか？」

眉をひそめた雪村さんに、私はゴクリと息を呑む。

私から雪村さんに仁くんとの昨夜の話の内容を伝えてもいいと言われていたが、勇気がいった。

「仁くんは、雪村さんの話は全部嘘だと」

意を決して口にした。

雪村さんがどんな反応をするのか怖かった。

しかし彼女はなぜかいきなりクスクス笑い出し、私は当惑する。

「……雪村さん？」

「仁さんが正直に認めるはずありませんよ。まさか彼にまんまと言いくるめられて、私を追及しに来たのですか？」

「そんなつもりじゃ……」