敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
でも仁くんを好きになる努力をすると意気込んでいたはずが、やっぱり結婚式での誓いのキスも彼と唇を重ねるなんて考えられず、軽く頬にしてもらっただけだ。

幼なじみの私たちが夫婦だなんて、どうしても無理がある気がする。仁くんは自信があるようだが、私は相変わらず懐疑的だ。

そこへ、仁くんが階段を上がってくる音が聞こえた。

「仁くん、お仕事の電話おわ……きゃあ!」

仁くんもお風呂に入ったらしく、ボクサーパンツ一枚だけの姿だった。

間接照明に照らされた仁くんの体は、子どもの頃に見慣れていたそれとは完全に別物で、不意打ちだったのもあり私は動転してしまう。
 
しなやかな筋肉に覆われた長身の体は、思わず釘付けになるほど美しい。

「なんでパンイチなの? お揃いのパジャマは?」

仁くんがベッドに近づくにつれ、私はシーツの上で後ずさった。

裸を見たってなんとも思わないなどと嘯いていた数分前の私はどこにいったのだ。

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