敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
「どうした?」

「ピアス、片方なくしちゃったみたい」

私はしゅんとした。

ホワイトゴールド素材のフラワーモチーフピアスでけっこう気に入っていたのだ。

近くにお店があるから、もう一度同じものを買い直そうか。

このブランドの商品は、片方のみのオーダーもできると購入の際に聞いた気がする。

「仁くん、あとで少しジュエリーショップに寄ってもいい?」

「ああ」

昼食を終えると、ジュエリーショップに向かった。

女性店員さんに片方なくしてしまったと伝えると、品番を調べてくれる。

しかし私のピアスはすでに廃盤になっていて同じものを作れないと謝られてしまった。

「そうですか……」

三年も前に買ったものだったし、残念だがしかたがない。

「せっかくだから新しいピアスでも買ったらどうだ」

仁くんに促されて私はうなずく。

「そうだね」

気持ちを切り替え、店員さんに新作を見せてもらった。

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