敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
そして先日ようやくあかりと接点を持てた前野さんは、早速あかりを口説きにかかったが、あかりに『前野さんは美玖の彼氏ですよね。彼女の友人に言い寄るなんて最低ですよ。一番軽蔑するタイプです』と白い目を向けられ、『それに私には婚約者がいますから』とばっさり振られたようだ。あかりは優しげな顔に似合わず、思ったことをはっきりと口にする。
プライドを傷つけられた前野さんは自棄になり、私にすべてを暴露したというわけだ。まるで私と付き合ったせいであかりとうまくいかなったのだというようなまくし立て方だった。
「仁くん、私にそんな意地悪言うために何時間もそこにいたの?」
傷口に塩を塗ってくる仁くんを、私は上目遣いで睨む。
「そんなわけないだろ」
「じゃあどうして……って、なに笑ってるの?」
よく見ると仁くんは形のよい口もとに笑みを浮かべていた。仁くんはなにを考えているのかわかりやすいタイプではないけれど、これはかなり機嫌がいいのだと、長年の付き合いがある私にはわかる。
「いや、うれしくてな」
「私が騙されたのがうれしいの?」
プライドを傷つけられた前野さんは自棄になり、私にすべてを暴露したというわけだ。まるで私と付き合ったせいであかりとうまくいかなったのだというようなまくし立て方だった。
「仁くん、私にそんな意地悪言うために何時間もそこにいたの?」
傷口に塩を塗ってくる仁くんを、私は上目遣いで睨む。
「そんなわけないだろ」
「じゃあどうして……って、なに笑ってるの?」
よく見ると仁くんは形のよい口もとに笑みを浮かべていた。仁くんはなにを考えているのかわかりやすいタイプではないけれど、これはかなり機嫌がいいのだと、長年の付き合いがある私にはわかる。
「いや、うれしくてな」
「私が騙されたのがうれしいの?」