敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
「今夜の食事会は友人ばかりだし、気を遣わなくていいからな。明日の予行練習くらいに思ってくれればいいから」

今夜はニューヨーク在住の経営者仲間である友人たちとの集まりで、明日は取引先関係者との会食らしい。

着付けが終わると、入れ替わりにアメリカ人のヘアメイクさんがやってきた。ふんわり編み込んでお団子にしてもらい、生花を飾ってもらう。

「美玖、きれいだ」

部屋にふたりきりになると、仁くんは穴が空きそうなくらい私を見つめた。どうやら着物姿は彼のお気に召したようだ。

淡いクリーム色から優しいピンク色のグラデーションになっている着物は上品で女性らしく、柔らかい印象を受ける。

「ありがとう。私もこのお着物気に入ってるの」

仁くんのお母さんからいただいたものだった。

「早くあいつらに美玖を自慢したい」

「なにそれ」

「言葉通りの意味だ」

抱き寄せられ、目もとに口づけられる。

仁くんの友人たちも、奥さまや恋人を連れてくるらしい。

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