敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい

午後五時にホテルを出て、予約しているレストランに向かった。

ドキドキしながら会場となる個室のドアを開けると、中からパンパンという乾いた音が鳴り、私と仁くんに色とりどりのテープが飛んでくる。

「え？」

二十人ほどの男女が手にしているのはシャンパンボトル型のクラッカーだった。私はいったいなにが起こったのかわからず立ち尽くしてしまう。

仁くんも唖然としていた。

『ジン、ミク、結婚おめでとう！』

どうやら彼らは私たちの結婚を祝ってくれたようだった。

抱えきれないほどの大きな花束を渡され、私はまだ動揺を隠しきれないながらも『お祝いしていただきありがとうございます』と英語でお礼を言う。仁くんの友人は国籍や人種は様々だが、みんな英語を話すらしい。

私と仁くんは奥の席に案内された。

アメリカらしいおしゃれな内装の個室で、楽しい食事会が始まる。