敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい

いつも私をスマートにエスコートしてくれるし、仁くんはきっと恋愛経験が豊富なのだろう。

「咲和さんも仁くんが結婚してショックでしたか？」

窺うような目を向けると、咲和さんはぱちぱちと瞬きをして、すぐに笑顔になる。

「私は三年前に結婚していて、夫一筋なんです」

「そうだったんですか」

「はい。だからご安心くださいね」

「べ、別にヤキモチを焼いたわけじゃ……」

私はあたふたした。とはいえあの訊き方ではそう捉えられてもしかたがないかもしれない。

「新婚さんはラブラブでいいですね」

「咲和さんこそ旦那さまとラブラブなんでしょう？」

「はい、とても」

即答でのろけられて、私はぷっと噴き出した。ヤキモチを否定した自分がかっこ悪く思える。夫を好きなのを隠す必要なんてないのだ。素直な咲和さんがかわいかった。

そのあと、私は仁くんにもご当地グルメを食べてもらいたくて、おいしかったチキンオーバーライスやテイクアウトのできるピザを購入し帰途についた。