敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
咲和さんは「世界各国の国家元首が泊まるという超一流ホテルのスイートルームでチキンオーバーライスは粋ですね」と愉快そうに笑っていた。たしかにあのホテルに屋台飯を持ち帰るのは私くらいかもしれない。
それから、「幼い頃からずっと知っている美玖さんが、社長夫人になってもなにも変わらない姿に、社長はやすらぎを感じているのかもしれませんね」と咲和さんはしみじみつぶやく。
「人の感覚なんてすぐには変わりませんから」
なんだかむずかゆくなって笑いかけると、咲和さんはかぶりを振る。
「いいえ、人はあっという間に変わりますよ。もう怖いくらいに」
それならば、私に根付いているこの庶民的な感覚は、長所だと思ってもいいのだろうか。
なにも取り柄がないと思っていた自分に、褒められるところがあるのはうれしかった。
一時間後、ホテルに戻ってきた仁くんと入れ替わりで咲和さんは帰っていく。
連絡先を交換したので、私はメッセージアプリで咲和さんに今日のお礼を改めて送った。
それから、「幼い頃からずっと知っている美玖さんが、社長夫人になってもなにも変わらない姿に、社長はやすらぎを感じているのかもしれませんね」と咲和さんはしみじみつぶやく。
「人の感覚なんてすぐには変わりませんから」
なんだかむずかゆくなって笑いかけると、咲和さんはかぶりを振る。
「いいえ、人はあっという間に変わりますよ。もう怖いくらいに」
それならば、私に根付いているこの庶民的な感覚は、長所だと思ってもいいのだろうか。
なにも取り柄がないと思っていた自分に、褒められるところがあるのはうれしかった。
一時間後、ホテルに戻ってきた仁くんと入れ替わりで咲和さんは帰っていく。
連絡先を交換したので、私はメッセージアプリで咲和さんに今日のお礼を改めて送った。