敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
ジョシュアはおしゃべり好きのようで、私が答えると間を置かず次々質問してきた。日本を何度も訪れたことがあるらしく、日本人に興味があるようだ。

他愛もない会話をしているうちに、自由の女神が見えなくなり、デッキにいたたくさんの人たちも船内に戻ってしまう。

そしてとうとう私たちだけになると、ジョシュアがいきなり密着し、私の腰に手を回してきた。

『あの……?』

『今夜、君に出会えた運命に感謝しよう』

ジョシュアはそうささやきながら顔を近づける。

キスしようとしているのだと察し、私は慌てて彼の胸を押し返した。

『なにするんですか。やめてください』

急展開すぎてわけがわからない。

『どうしてだい?』

『どうしてって……私には夫がいます。あなたにも婚約者がいるんでしょう?』

当たり前のことを訴えなければいけない状況に、頭がクラクラしてきた。

海外で知らない男性と気安く交流したのを後悔する。

『それとこれとは別だよ。こんなにきれいな夜景を前に、男女が愛を交わさないのは無粋だろう?』

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