お飾りにしか⋅⋅⋅なれない
その夜
俺は、アメリカの友人達に
連絡をした。
ケリーは、弁護士・腕利き
アーサーは、企業を何社も持っている
実業家
ロベルタは、病院を一緒に経営している。
ケビンは、投資やコンサルタントのプロ。
アメリカの俺が勤める病院にも
きちんと連絡をした。
滞在について。
俺は、高校の時から
バイトで得たお金で
株の投資をやっていて
ある程度の資産は持っている。
アメリカで小さいが
病院も経営している。
ロベルタが代表をやってくれて
俺は利益を少しだけ貰い
後は、病院の子供達へ還元している。
小児科だけの病院だ。
助けられる命は助けたい
そして、未来を輝いて欲しい。
俺は、母親だけでも
幸せだった。
母は、優しく、厳しく
尊敬できる唯一の人だ。
だが、世の中には、
子供を大切にしない親や
捨てる親
虐待する親
子供には罪はないのに。
我が子が可愛くない親が
いることに愕然とするが
医療は待ってはくれない。
俺は、俺が出来ることをするだけ。
だが、今は、目の前の患者さんの事だ。
原田さんに
紗雪さんのご両親に
連絡をしてすぐに俺が会いたいと
伝えて欲しいと言うと
困った顔をしながら
悩んでいたが⋅⋅⋅⋅⋅⋅
俺が、大丈夫。
と、言うと深く頷いて
電話をかけた。
20、30分後に
紗雪さんのご両親が病院へと
やってきた。
お二人とも驚きと落胆が見えた。
原田さんは、
申し訳なさそうにしていたが
彼女は、何も悪くない
ただ、ただ、あいつらが悪い。
俺は、紗雪さんの現状と
薬を投与している話をした。
効き目があるかは不明の事も
含めて。
そして⋅⋅⋅⋅⋅⋅
紗雪さんの父親
立花 卓氏に
立花デパートの存続について
訊ねた。
彼女は、そのためだけに
我慢していたのだから⋅⋅⋅⋅⋅⋅
卓氏は、
「こんな事なら立花の社員に話して
無くせば良かった⋅⋅⋅⋅⋅⋅
娘に⋅⋅⋅⋅⋅こんな⋅⋅⋅⋅⋅
⋅⋅⋅⋅負担をかけて⋅⋅⋅⋅⋅しまう⋅⋅⋅⋅⋅
⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅なんて⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
と、言うと
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅旦⋅⋅⋅那⋅⋅様⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
と、原田さん。
紗雪さんの母親、幸子さんも
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅や⋅⋅⋅⋅⋅はりっ⋅⋅⋅⋅⋅」
と、涙を流され
紗雪さんの頭を撫でられていた。
「わかりました。
それでは、立花さん
後の事、全てを、
私に任せて頂けませんか?」
と、言うと
三人は、不思議そうな顔をして
俺を見て
「⋅⋅⋅⋅⋅先⋅⋅⋅⋅⋅生⋅⋅⋅⋅は⋅⋅いっ⋅⋅⋅⋅たい⋅⋅⋅」
と、言う立花さんに
俺は、頷き。
「一週間後にお会いしましょう。」
と、伝えた。
紗雪さんが居る部屋を
特別室からトイレやシャワー
小さいキッチンが付いている
個室に移した。
特別室のような豪華さはないが
充分だと思う。
そこに原田さんようの
簡易ベットを入れた。
ソファーもあるが
小さくて腰かけるためのものだから
その個室から見える景色が
よくて決めたのだ。
明るい内は、緑あふれ
暗くなると、庭の電飾が灯る。
原田さんの癒しにもなるのでは、と。
それから、
紗雪さんの病室は、
立花さん夫妻と原田さん以外は
面会謝絶とした。?
入院費の支払いは
新薬を使用する為、病院で
持つ事を書面で門田家に送る事を
話した。
門田家と切り離す。
立花さん夫妻は、
「「宜しく、宜しくお願い致します。」」
と、頭を下げた。
その横で原田さんは、
パラパラと涙をこぼしていた。