お飾りにしか⋅⋅⋅なれない

···目覚め


⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅あの日⋅⋅⋅⋅⋅

紗雪様の倒れている姿を見つけてから

二年が⋅⋅⋅⋅過ぎた⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅



そして⋅⋅⋅⋅⋅⋅

「LA・fonte」のオープンまで10日と
なった夜⋅⋅⋅⋅⋅⋅


紗雪様⋅⋅⋅⋅⋅は⋅⋅⋅⋅⋅⋅目を⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅覚ました⋅⋅⋅⋅⋅


「LA・fonte」から、帰宅し
夕食を取りお風呂を済ませて
いつものように紗雪様の手をマッサージ
しながら今日の報告をしていると
紗雪様が私の手を握った。

いつもは、されるがままだが
今夜は、握り返した。

「さっ、紗雪様?」
と、何度も声をかけると
まぶたがピクピクと動き
少しずつまぶたが開く
「さゆ⋅⋅⋅⋅⋅き⋅⋅⋅さまっ⋅⋅⋅」
と、声を何度もかける

紗雪様は、まぶたをとじたり
開いたりをゆっくり
繰り返し
また、閉じた

「紗雪様!、紗雪さま!!」
と、呼ぶと
まぶたをゆっくりあけて
目を動かし
私を見つけて
微笑んだ。

私は、ぼろぼろと涙を溢しながら
紗雪様に抱きつくと
紗雪様は、私の頭に手で触れてくれた。
「⋅⋅⋅⋅さゆ⋅⋅き⋅⋅⋅さまっ⋅⋅⋅⋅
旦那様と奥様をお呼びします。」
と、涙を拭きながら伝えると
紗雪様は、目を少し動かした。

私は、直ぐに旦那様と奥様の
部屋へと行き知らせ
立花専属の医師と大野先生へ
連絡をして
紗雪様の部屋へと戻ると
旦那様も奥様も
涙を流しながら
喜ばれていた。

少しすると
大野先生と立花専属の先生が
見えた。
お二人は、診察をされながら
「「良かった。良かった。」」
と、言われていた。

紗雪様は、
明日、検査をする事になり
先生方は帰られた。

安藤先生には、大野先生が
連絡をするから
と、言って頂けた。

旦那様と奥様と私は
色々、話をしたかったが
紗雪様が疲れると行けないので
明日にする事にした。

旦那様と奥様は、
私に紗雪様を任せて
お部屋へと戻られた。

紗雪様は、
「史織、心配かけてごめんなさい。」
と、小さな声で
やっと言われて目を閉じた。

私は、紗雪様の手を握りながら
『沢山、たくさん、心配しました。
ですが、必ず戻って来られると
思っていました。』
と、伝えた。
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