お飾りにしか⋅⋅⋅なれない
3 回想1️⃣

紗雪は、父に呼ばれ
両親の部屋へ

部屋に入ると
そこには、難しい顔をした父と
下を向いている母の姿があった。

「お父様、お呼びですか?」
と、紗雪。
いつもと違う両親に不安はあるが
訊ねる。

「⋅⋅⋅⋅⋅紗雪。
お前を欲しいと言われる方がおる。」
「お父様、それは、政略結婚ですか?」
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅ああ。」と、父
「あなた!!」と、母
「そうですか?わかりました。
いつになりますか?」
「あちらとしては、すぐにでも
と、言われている。」
「そうですか。」
「紗雪、行かなくて良いのよ。」
「お母様。立花家に生まれてから
いつかは、こうなると思って
おりました。」
「すまない。
私と幸子は、政略結婚とかではない。
だから、紗雪にも、紗雪が
好きになった人と結ばれたら
良いとずっと思っていた。
だが⋅⋅⋅⋅⋅すまない。
土地の高騰と売り上げの低迷から
立花を手放すしか⋅⋅⋅⋅ないと⋅⋅⋅⋅⋅
そこへ門田不動産の会長が
援助の声を上げてくれて
その代わりに、自分の息子に
紗雪を⋅⋅⋅⋅と、言われたんだ。」
と、苦しそうに話す父に
母は、
「だから、立花を手放せば良いと
何度も、言ったではないですか?」
と、言う。

だが⋅⋅⋅⋅

立花デパートの従業員やその家族を
守らないといけない。

「お母様、ありがとうございます。
ですが、お父様、門田様へ
嫁ぎます。
ひと月後で宜しいですか?」
「さゆき!」
わかっている
お母様の心配は。

門田不動産の長男である
門田 陽大と言えば
女にだらしない男だと
言われている。

「お父様、お母様、
一つだけ、お願いがございます。」
「「なんだ?、何かしら?」」
「はい。史織を一緒に。
     お願いいたします。」
「史織に確認するが。
史織は、小さい頃から
お前と一緒だ。
行くと言うだろう。」
「強制は、しないで下さい。
史織が嫌でしたら、一人で大丈夫です。」
と、伝えて
部屋を後にした。

私の中に心ひかれる人もなく。
今まで自由にさせて頂いた。

私は、バイオリン奏者だ。
ピアノも弾けるが
バイオリンが好きだ。

音楽大を卒業してから
ピアノ又は、バイオリン奏者として
コンサートに参加させて
頂いていた。

今まで、自分の好きな様に
過ごさせてくれた両親には
感謝しかない。

父から後日
史織が、是非お供したいと
言ってくれていると聞いた。

正直、史織が一緒に行ってくれる事に
私は、ほっとしていた。
< 3 / 54 >

この作品をシェア

pagetop