お飾りにしか⋅⋅⋅なれない

···約束


少し遅いが
父・卓と紗雪、史織と
悠希は一緒に食事をした。

秘書の三人には
ゆっくりするように
伝えて⋅⋅⋅⋅

私達三人は、
改めて安藤先生にお礼を
伝えた。

特に紗雪は、
何も知らない間に
全てが終わっていて
感謝の気持ちで
いっぱいだった。

立花デパートも
姿は変わっても残す事ができた。

社員も本人達が
次に進みたい人以外は
残れて、本当に良かった。


安藤先生の生い立ちを
紗雪は聞かされた。

だから、怒りがこみ上げてきた
と、話してくれた。

「安藤先生は、
ひまさえあると
紗雪様の部屋へ来て
紗雪様の手足の運動をされて
紗雪様の横に座り頭を撫でて
いたのですよ。」
と、史織に言われて
私は、驚きと恥ずかしさで
真っ赤になってしまい

安藤先生も
咳払いをしていた。

安藤先生は、明日恩師の
朝倉教授に会い
明後日にはアメリカに
戻られるとの事

食事を終え
安藤先生に車椅子を
押して貰いながら
館内から外を見てまわる
その時、紗雪は、改めてお礼を言った

悠希は、
「もう、いいですよ。
俺が、勝手にやった事だから。
でも、紗雪さん
約束してください。
二度とこのような事をしないと。」
と、少し強く言われた
それだけ心配かけた事がわかるから
「はい。お約束します。
先生に助けられた命
大切にします。
それから両親や史織に、
沢山心配掛けましたから。」
と、伝えると
「俺は、何もしていないけど。
紗雪さんには、幸せになって欲しい。」
と、言って頂き
「はい。
私は、自分にできることを
精一杯やらせていただきます。」
と、言うと
先生が私の頭を撫でてくれた。
あの入院しているときの様に。

「先生にこうして
頭を撫でて頂くと
温かな気持ちになっていました。」
と、話すと
「不思議ですね。
  感覚や⋅⋅⋅⋅聴覚も⋅⋅⋅⋅⋅
でも、本当に良かった。」
と、言いながら私の目線に
座った先生に
「はい。」
と、笑顔で答えると
先生の耳が赤くなるから
ん?と思っていると
「きれいな人だとは
思っていたが。すごいね。」
と、言われて
答えようがなかった。
< 31 / 54 >

この作品をシェア

pagetop