お飾りにしか⋅⋅⋅なれない
···あっと言う間に
楽しい日々は、
あっと、言うまに終わり
明日、日本へ帰国する。
この一週間
悠希さんに案内されて
あちこち⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅へ
その上、悠希さんの友人達·······
全員一緒とは
いかなかったが、
ケリーさんをはじめ
個別にランチしたり
悠希さんとロベルタさんの
病院へ行ったり
買い物をしたりした。
忙しい悠希さんは、
私にあわせて
ずっと休めるわけなく
お仕事へと⋅⋅⋅⋅⋅⋅
だが⋅⋅⋅⋅⋅⋅
「行きたくない!」
と、言う悠希さんに
「手料理作って待っています。
あっ、作って大丈夫ですか?」
と、言うと
「楽しみにしてる。
買い物、一人で大丈夫?」
「はい。明るい内に行きます。」
「うん。そうして。
連絡して。」
「はい。」
「じゃ。紗雪、行ってくる。」
「はい。悠希さん、行ってらっしゃい。」
と、言うと
「ああっ、やっぱり無理。」
と、言って抱き締めるから
うふふっ、笑いながら
悠希さんの背中に腕を回し
「待ってます。」と、伝えた。
本当は、さみしい
ずっと、一緒にいたい
でも、悠希さんを待っている
患者さんがいる。
きっと、私がいるために
仕事を沢山調整しているはずだから。
悠希さんは、私にキスをすると
改めて
「行ってきます。」
と、言って玄関を出た。
悠希さんが
いなくなって
少しだけ、ぼぉっとしていたが
掃除や洗濯をして
史織と秘書の三輪さん
母にLINEとメールをした。
史織には、毎日LINEは
送っている。
全てが終わってから
買い物にでた。
悠希さんのアパートメントの
回りは、日本の物が売ってある
スーパーもあり。
あちこち見て回る。
幸い紗雪は、英語、ドイツ語が
話せて、フランス語は簡単な
会話は出来る
買い物が終わり
今日は、和食にしようと決めていた。
準備をしながら
史織と三輪さんと
パソコンで仕事のやり取りをする
音楽しか知らなかった私が
経営に携わるなんて
思ってもいなかった。
今は、時間がある時には
ピアノや大好きなバイオリンを
奏でている。
「LA fonte」の中にも
ピアノを置いている。
お客様が弾かれたり
私もたまに座って弾く。
バイオリンも持ち込んだりも
している。
本当に
門田家に嫁いでる間の
苦しみも悲しみも虚しさも
何もなく
ただ、ただ、幸せだ。
そして、今では
心から愛せる男性
悠希さんに出会えた。
こんなに幸せで良いのかと
逆に不安になるほど。
史織と三輪さんからの
メールとLINEの内容で、
仕事は順調で問題も
おこってないみたいだ。
快く悠希さんの元へ
活かせてくれた三人には
感謝しかない。
両親もとても喜んでくれた。
と、考えている間に
眠っていたようで
目が覚めると夕暮れとなっていた。
携帯がピカピカしている
あっ、悠希さんからだ。
心配しているLINEだったから
慌ててLINEをすると
すぐに着信が⋅⋅⋅⋅
「悠希さん、ごめんなさい。
つい、うとうとしてしまい。」
「いいんだ。紗雪が無事なら。
それに、俺が無理させているし。」
と、言われて
真っ赤になる紗雪に。
「クスッ、後一時間したら帰るよ。」
「はい。待っています。」
と、言うと悠希さんは
電話を切った。