お飾りにしか⋅⋅⋅なれない

門田家に入り
二、三ヶ月は、
門田家のメイド三人
(一花、メイド長と若いメイドがいる。)
メイド長が、メイド達や庭師職人
料理人達を取りまとめている。

門田家の使用人達が
史織を邪険にしたりしていたが
史織は、仕事も出来るし
紗雪から全幅の信頼を得ている為
メイド長が認め始め
仲良しになっているわけではないが
仕事をする上での支障はなかった。

陽大は、私が嫁いで来ても
食事は、一緒に取ることはあるが
会話などは殆どない。

私の部屋へ来ることもない。
私としては、その辺りは
どうでも良かった。
触れ合いたくもないから。

門田家に来て半年が過ぎた時
陽大が、私の部屋へと
やってきた。
「紗雪さん、門田家になれましたか?」
「はい。
皆さんに良くして頂いております。」
「そう。それは、良かった。」
「あの⋅⋅⋅⋅⋅本日は、どのような。」
ジロジロと陽大にみられ
気持ちが⋅⋅⋅⋅悪く訊ねると⋅⋅⋅⋅⋅⋅
「あっ、そうだ、ね。
一花が妊娠して、
まもなく出産するんだ。
その子を俺と紗雪さんの子として
届けを出すから
お願いしますね。
まあ、俺と一花の子だから
俺の子には、間違いないが。」
「あなたと⋅⋅⋅⋅一花さん?」
「一花は、山田一花。
門田のメイドだ。
あいつとは、俺が高校から
そんな仲だ。
身体の相性が良いんだ。
その関係は、今からもかわらないけど。
親父が世間体が悪いから
俺と紗雪さんの間の子にしろと。」

この人は⋅⋅⋅⋅⋅⋅

いったい⋅⋅⋅⋅⋅⋅

何を⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅言っているの⋅⋅⋅⋅⋅だろうか

まして⋅⋅⋅⋅⋅や⋅⋅⋅⋅⋅平然と⋅⋅⋅⋅⋅

「ああ、これは相談じゃないよ。
決まったこと。
君は、従うしかないんだよ。」
と、言い捨てる陽大に
「わたくしと離婚して、
その方と一緒になり、
お子さんを育てて下さい。」
と、訴えると
「離婚?
いいの?離婚して。
君の実家の立花は、消えてなくなるよ。
さっきも、言ったけど
これは、相談じゃなくて
決まったこと。
君は、俺に、門田家の決定に
従うしかないんだよ。」
と、言い放ち

陽大は、嘲笑うようにして
部屋を出て行った。
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