お飾りにしか⋅⋅⋅なれない
アメリカでの生活に
やっと慣れてきた紗雪。
相変わらず悠希は
忙しい毎日を送っているが
ここ数ヶ月の間に
ロベルタさんと経営していた
小児科病院をロベルタさんに
全てを任せて
悠希の収入は病院と
孤児院に回して貰う事にした。
悠希は、脳外科医として
勤めている病院だけに勤務を絞った。
紗雪と結婚した事が
悠希を大きく変えた。
紗雪は、ロベルタの病院や
孤児院にボランティアで
ピアノを弾いたり
バイオリンを奏でたりしていた。
「LA・fonte」
の社長の名前だけの収入は辞退した。
株を保有しているから
その分だけを頂いている。
生活するには
不自由ない二人だが
贅沢をするわけでもなく
二人の生活スタイルは
普通だった。
今日 紗雪は
ボランティアでピアノの演奏に
来ていた。
沢山の方から拍手を頂いていると
「お疲れ。」
「悠希、迎えに来てくれたの?」
「ああ。たまには良いだろう。」
「うふふっ、嬉しい、ありがとう。」
と、言う紗雪に赤くなる悠希
まったく、紗雪の微笑みには
慣れないなぁ
と、思う悠希だった。
悠希は、紗雪の手を取り
ゆっくり歩きはじめる。
紗雪は、今妊娠8ヶ月で
安定しているし
元から細いためお腹も目立たなくて
直ぐに無理をするため
悠希は、ハラハラしっぱなしだった。
悠希の友人達は、
そんな悠希を初めてみて
驚くやら、冷やかすやら
でも、そんな風になれる女性に
出会えた悠希を嬉しく思っていた。
大体、自分達以外に
話しかけたりすることもなく
女性に対しても無駄な事はしない。
欲捌け?にもしないような男だから。
紗雪にべったりで
紗雪を大事に大切にしている姿に
今では、やっとなれた
ロベルタ達。
悠希の車に乗り
皆さんに挨拶をして帰宅した。